子供の頃

夏になると近くの小川によくホタルを見に行ったな〜。
数え切れない程のホタルが飛んでいて、それはそれはキレイだった。
たくさん飛んでいるから、肩とか背中とかにもホタルがとまっちゃう。
そんな時は驚かせないように、そぉっとそっとしてる。
捕まえたホタルを両手のひらの、ちっちゃな空間の中で光らせる。
暗闇のなかで、手の中のホタルが幻想的に光る。
自分だけのホタルかご。
沢山捕まえた夜は、持って帰って蚊帳の中に放つ。
柔らかな光がゆっくりと点滅するのを、布団の中で眺めながら眠りについた。
クーラーなんて無くても、座敷の障子を開け放つだけで風が通って涼しかった。
今は、その小川にホタルが飛ぶ事も無いけれど、
もう一度あの頃に戻って、ホタルの居る蚊帳の中で眠ってみたい。