私の小手毬畑

久しぶりに、以前住んでいた大阪のマンションに行ってみた。
懐かしいけれど、さすがにもう「我が家」って感じはしない。

マンションの隣にグラウンドがあって、その前に小さな公園がある。
私がそのマンションに引っ越した翌年に、
その公園に小手毬の群落が有る事に、半年経って気が付いたのだが、
花も終わりかけで、雑草の中に埋もれていて、、、
青息吐息の可哀そうな状態だった。
「気が付かなくてゴメンね
 これから私がお世話してあげるからね」

「私の小手毬畑」
勝手に名前を付けて、
休みの日に草取りやゴミ拾いをして大切に育ててきた。
公共の公園で一人草取りをするのは、ちょっと勇気が要ったけど、
まあ、悪いことしてる訳じゃないから頑張った。
暑い中、長靴はいて軍手して、汗ダラダラ流しながら草取りして、
キレイになっていく公園に満足してた。

だけど、なんと会社をリストラされ、
縁あって奈良に引越すことになり、
7年続けた小手毬畑のお手入れもできなくなった。
それから毎年春になると、小手毬が気になっていた。

久しぶりに見た小手毬達は、見違えるほど立派に育ってた。
株の間の雑草を一生懸命抜いていたのに、
いまや雑草の生える隙間が無いほど隆々と育ち、
蕾をたくさんつけて、堂々たる茂みになっていた。
花盛りを見られたらもっとよかったけど、
でも、十分満足した。
もう私の手助けは要らないね。
キレイな花をたくさん咲かせて、
みんなに可愛がってもらうんだよ。
「みんなの小手毬畑」

又いつか会いにくるからね。