お父さんとお母さん

「読み聞かせ」をして、子供がどの程度の理解ができるか、
ある偉い偉い学者先生が、調査を行ったそうな。
子供達の前で、本を読み聞かせた。
「昔々あるところに、親のいないあひるが居ました・・・」
絵本が終わった後、学者先生は尋ねました。
「このあひるさんに、お父さんやお母さんはいましたか?」
ある子供が答えました。
「はい。居ました」
学者先生はガッカリしました。
「先生のお話をちゃんと聞いていなかったんですね。
もう一度読みますよ。
昔々あるところに、親のいないあひるが居ました・・・」

お話が終わった後、もう一度尋ねました。
「さぁ、このあひるさんに、お父さんやお母さんはいましたか?」
子供は答えました。
「はい。居ました」
学者先生は怒り出しました。
「2回も読んであげたのに、今度もちゃんと聞いていなかったのですね!
あひるさんにはお父さんもお母さんも居なかったのよ!」

すると子供は、不思議そうな顔をして答えたそうです。
「だって先生、お父さんとお母さんの居ない子供なんて居ないわ」
その答えを聞いて、学者先生はハッと胸をつかれました。
「そうね。お父さんとお母さんの居ない子供なんて居ないわね」
そう言って、子供を抱きしめたそうです。
捨てられた子供にも、捨てた親にも、
誰にでも、お父さんとお母さんは居るのです。
おとーさん。おかあさん。。。
その「愛」を受ける事が出来ない子供が居るということは、
とても悲しい事です。。。