象の背中

映画にもなった。
「肺がんで余命半年」と宣告された男が、
残された月日に、自分と関わった人にお別れ(遺書)を言ってから
「もう思い残すことは無い」と死んでいく話。
男には、長年付き合っている愛人が居るんだけど、
「もう妻には隠し事はしない」
と、愛人をホスピスに呼ぶ。
妻を愛していない訳じゃなく、どっちも愛おしい。
妻と愛人の今後を心配し、息子に託す。
男は、妻に最期に書いた手紙に書く。
「生まれ変わっても、もう一度キミと結婚したい」
元々妻と別れるつもりも無く「愛人」を作る事自体ズルイのに、
妻に愛人の存在を告げ、さっぱりして死にたいなんて
もっとズルイと思う。
私が「妻」なら、
「愛人にも同じ事言ってんじゃないの?」と思うよ。
でも、話の中では、妻は夫に宛てた最後の手紙にこう書く。



「生まれ変わっても、



あなたと結婚したい」



作者が男だから、「こんな風に死ねたら☆」と思うんだろうけど、
世の中そんなに甘くない。

「生まれ変わったら、アンタにだけは引っかからない」
と、たぶん9割のオンナは言うだろう。
「心穏やかに☆」どころか、ヘタすりゃ血の雨が降り、
家族中から見捨てられるよ。
人を傷つける秘密は、墓場まで持っていくべきだと
私は思うな。
世の「夫」諸君!
最期の時、妻に
「来世もあなたと結婚したい」
って言ってもらえるよう、頑張ってね。