夏みかん

私が3歳の頃、
夏みかんをカミソリで切ろうとして、
誤って自分の指先を切り、大怪我をした事がある。
これが私の中で最も古い記憶だ。
西側に面した明るい和室で、
3歳の私が夏みかんをカミソリで切ろうとしている。
思い出すと、いつもその状況が目に浮かぶけど、
場面は、上から部屋全体を見下ろしている記憶だから、
それは、後から作られた記憶なのかもしれない。。
怪我は爪にまで達した深いものだったけれど、
幸い神経は繋がっていた。
でも傷が治ってからも、毛細血管が戻らなかったのか、
今でもその指だけ他の指より冷たいし、
指先に全く汗をかかない。
子供の頃は、その指だけ重度の「しもやけ」になり
ひび割れて血まみれになって辛かった。
昔はみんな「しもやけ」になってたもんだけど、
今時、「しもやけ」になる子供なんて居ないよなぁ。
夏みかんや「はっさく」を見ると、
幼い日の記憶がよみがえる。