まさえもんの話

我社の三代目!
産まれたときから三代目!ちっちゃい時から帝王学を学び、
田園調布育ちの生粋のおぼっちゃま。
慶応大学に優秀な成績で合格した。
大学ではアメフトをやろうと思っていたのに、ひょんなキッカケから
ボクシングを始めた。
彼の体格は、人より恵まれていた訳じゃない。
ボクシングジムにいるのは、ハングリーなアウトサイダーばっかり。
そんなアウトローの巣窟へ、育ちの良い爽やかなおぼっちゃまが仲間入り。
当然、妬みと不信を買い、ボロボロにいじめられる。
毎日公然とボコボコに殴られて、腫れあがった顔をして家に帰った。
その息子の顔を見て、父は言った。
「そんなにボコボコにされて、お前は悔しくないのか」
彼はその言葉に奮起し、殴られても殴られても頑張った。
体力をつけるため、誰にも負けないくらいトレーニングに励んだ。
そんな彼の姿に、周囲も少しずつ変わってきたらしい。
そんなある日、彼はジム仲間に、
「コーヒー飲みに行かないか」
と初めて誘った。
「いいよ」
彼はジムを出て、近くの喫茶店に行こうとした。すると、相手が怒り出した。
「喫茶店で金出して、コーヒー飲めるか!」
ジム仲間のコーヒーとは、自動販売機の100円のコーヒーのことだったのだ。
彼にとっては、この事件がすごいカルチャーショックだったらしい。
でも、これがきっかけでジム仲間と仲良くなることが出来た。
卒業間近、彼の就職先は決まっていた。大手銀行。
父は言った。
「只、ボクシングやってました、じゃあ話にならん。
どうせやるのなら、プロテスト受けて来い。」
彼はその時肩を脱臼していて、とてもそんな状態ではなかった。
しかし、父の言葉はもっともだと思い、肩をかばいながら必死に練習した。
ジムの仲間もみんな応援してくれた。
その悲壮さに、さすがの父も
「やめたらどうだ・・・」
と思わず言ったが、彼は聞き入れなかったらしい。
プロテストの日、その日も体調は万全ではなかった。
しかし、ラッキーパンチが(彼の弁)相手に当たり、見事プロテストに合格!
彼は、胸を張って大手銀行に就職した。
そして、何社か修行を経た後、今は東京本社の課長様です。

ステキな二代目と三代目でしょ?

オトーチャンえらいっ!!
我社の、「まさえもん」の話でした。